私は3歳の時に父を亡くした。
「お父さんが居なくて寂しいね」と言われた事があったが、父がどんなものか知らない私には、その答えは分からなかった。
父が亡くなった後、母は仕事に出かけて家に居ない事が多かった。
家の事は祖母がやってくれたので、私の母親代わりだ。
兄は居たが、5歳離れていた事もあり遊びの内容がそもそも違う。
そんな家庭環境だった事が影響したのか、比較的我慢強い性格に育ったと思う。
母は漁協の事務員と言う会社員をやった後、ステンドグラスの制作販売会社を作った。
最初は受注も多く、かなり好評だったようだ。
しかし、右腕だった部下が自分で開業したいと言い出した結果、仕事が回らなくなってステンドグラスの会社は閉業する事となる。
元々料理が好きだった母だが、今度は小料理屋を開店した。
お店はそこそこ繁盛していたようだ。
しかし、バブルの崩壊で景気が悪くなると客足も減ってしまった。
母は再び閉業する事となった。
最後に母が選んだ仕事はドクタートロンと言う健康器具の販売員だった。
小料理屋でお客さんを相手にしていた事もあり、話し上手だったようだ。
こちらの仕事はかなりの成果を上げたと自慢話を聞いていた。
しかし、私の中では我が家は貧乏だったという印象だ。
その頃、兄は私立大学へ入学し、お金が必要だった。
私は国立高専に入学し、そこそこの成績を収めていたので授業料免除の制度を受けていた。
母は「お金がない時に我が家を助けてくれて、ありがとう」と言ってくれた。
そんな経験から、自営業には「貧乏する」「苦労する」と言う印象がずっと残っていた。
だから私は高専を卒業した後、すぐに某株式上場企業に就職をした。
今現在もその会社で働いている。給料も貰っている方だと思う。
しかし、そんな当時の自分の考え方について、今の私は別の道を模索している。
2012年に嫁をもらい、2015年に子供を授かった。
自分だけの生活であれば、何も考えず一生会社員として働き続けたと思う。
しかし家族が出来た事で、私の将来は少し予定が変更されたようだ。
我が子が成人する頃には、私は既に60歳を越えている。
定年再雇用と言う制度はあるが、そこまで会社にしがみつく人生で良いのであろうか?
自分の能力を活かし、会社に依存せずに稼ぐ力を身につける。
最終的に辿り着いた答えは、苦労を重ねてきた母と同じ結論だった。
そして、現在。
私は不動産経営を行っている。
今の所は順調と言って良いが、この先世の中がどうなるのかは分からない。
それこそ、母が背負ってきた苦労を私が背負う事になるだろう。
しかし、それは自己責任。
母もそんな気持ちで自営業に拘ったのではなかろうか?
だから、給与所得と不動産収入の他にも収益の軸をもう一つ作りたいと現在は考えている。
こうしてブログを作成して文書を作っているのは、そのためだ。
今は本当にこれで収益をあげられるのか、全く分からない。
やらずして語ること無かれ
5年後になるか、10年後になるか。
今日のこの記事を将来見た時に、自分を褒められるようになっていたい。
そして、私が父を亡くした年齢となった我が子。
この子には父と言う存在を語れる様になって欲しい。
私が知らなかった「お父さんが居なくて寂しいね」と言う質問に、きちんと答えられる様になって欲しいと思う。
私の将来予想図。
我が子が立派な成人となって、社会に羽ばたく姿を見送りたい。
それは叶わなかった私の父への鎮魂曲となるだろうか?
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